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2025/06/26

KPIの目的やメリットをわかりやすく解説!目標設定のコツも簡単に紹介

コラム

「KPI」はビジネスの場でよく耳にする言葉ですが、その役割や具体的な意味を正しく理解できていないと感じる方も多いのではないでしょうか。KPIを簡単に説明すると「最終目標の達成に向けた進捗状況を定量的に把握、管理するための指標」です。
本記事では、KPIの目的や活用するメリット、具体的な設定方法などを解説します。

KPI(重要業績評価指標)を簡単に解説

KPI(ケーピーアイ)とは、「Key Performance Indicator」の略称で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。最終目標(KGI)への進捗を数値で可視化し、客観的に把握・管理するための指標です。KPIでは、達成すべき具体的な数値を設定することが重要です。この設定により組織全体が共通認識を持ち、一体感を持って行動できるようになります。
また、複数のKPIをロジックツリー(樹形図)で図式化したものは「KPIツリー」と呼ばれます。KPIツリーは、中間目標を整理し、プロセスを明確化するのに役立ちます。

KPIの具体例は次のとおりです。

  • 顧客満足度
  • 営業チームの生産性
  • 製品の品質
  • 従業員のエンゲージメントやブランドへのロイヤリティ
  • 会社のブランド認知度やブランドへの共感度

他の指標とKPIの関係性や違い

KPIと関連する用語として、「KGI」や「KSF/CSF(Key Success Factor/Critical Success Factor/主要成功要因)」「OKR(Objectives and Key Results/目的と主要な成果・結果)」などがあります。ここからは、それぞれの指標の意味や定義、KPIとの関係性や違いについて解説します。

KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の違いを表す図

KGI(重要目標達成指標)

KGI(Key Goal Indicator)とは、組織が最終的に達成すべき目標の達成度合いを測る指標です。ケージーアイと読み、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。例えば、売上目標や利益目標がKGIに該当します。
KGIは最終的なゴールであるのに対し、KPIはその目標に向けた進捗を測るための中間目標です。例えば、KGIが「売上を前年比の120%にする」である場合、KPIは「月間訪問者数」や「コンバージョン率」など、具体的にどの程度、達成すべきなのかを示す数値指数です。

KSF/CSF(主要成功要因)

KSF(Key Success Factor)とは、組織が目標を達成するために重要な行動や施策、手段です。ケーエスエフと読み、日本語では「主要成功要因」と訳されます。KGI達成のために「何をするべきか」を示すもので、基本的に数値は設定しません。なお、KSFと同様の意味をもつ指標として、CSF(Critical Success Factor:重要成功要因)もあります。
KSFやCSFが目標達成のために必要な手段や施策そのものであるのに対し、KPIはその達成度合いを測るための具体的な指標です。

OKR(目的と主要な成果・結果)

OKR(Objectives and Key Results)は、企業やチームが目標を設定し、その達成度を測定するためのフレームワークです。オーケーアールと読み、日本語では「目的と主要な成果・結果」と訳されます。主な目的は、企業全体の目標と従業員個人の目標を結びつけ、組織全体の方向性を一致させることです。
KPIとOKRはどちらも進捗や成果を測定するためのフレームワークですが、目的や使用方法が異なります。KPIは、最終的な成果を達成するために、定められた期間内でどの程度達成したかを定量的に示す指標です。
一方で、OKRは企業の大きな目標を従業員と効果的にリンクさせ、目標達成に向けた方向性と成長を促す手法です。さらに、OKRでは進捗を定期的に評価し、高頻度で目標の達成状況を確認します。これにより、状況に応じた柔軟な対応が可能になり、無理なくスピーディな目標達成を実現します。

KPIを設定する目的やメリット

KPIを設定することで、目標に対する現状の位置を把握し、必要な調整や改善が迅速に行えます。また、KPIを共有することで、全員が同じ方向を目指し、一体感を持って業務に取り組めることが利点です。
ここからは、KPI設定の目的や具体的なメリットについて解説します。

目標達成の筋道を明確化

KPIを設ける主な目的は、KGIを達成するためのプロセスを明確化し、最短ルートへと導くことです。KGIだけを設定した場合に生じる「何をすべきかわからない」「優先順位が曖昧になる」などの課題を解消できます。
また、プロセスが明確になることで、各部門が目指す方向性や取り組み内容についての理解が深まり、部門間での連携がスムーズになることもメリットです。さらに、KPIを細分化して「プロセスKPI」を設定することで、業務の進捗や効果を具体的に測定できるようになり、短期的な改善や業務プロセスの効率化が進みます。

進捗管理が容易

KPIを設定することで、進捗状況を客観的に把握しやすくなる点が大きなメリットです。進捗を数値化することで関係者の統一した認識形成が容易になり、その後の作業も効率化できます。
さらに、指標を細分化することで、達成できていないKPIがあった場合でも問題点を早期に特定でき、スピーディな軌道修正が可能です。そのため、各KPIを定期的に振り返り、評価することが重要です。

組織全体のモチベーション向上

KPIの設定により、メンバー間で共通の目標を再確認でき、最終目標を達成するためのモチベーション向上につながります。また、個々の行動指針や優先順位が明確になることで、業務が効率的に進められることも大きな利点です。
さらに、人事評価にKPI指標を取り入れることで、その達成度が評価基準となり、評価の公平性が向上します。「頑張っても評価されない」という不安が解消され、従業員の安心感やエンゲージメント向上につながります。
従業員エンゲージメントについては「従業員エンゲージメントとは?企業での向上施策やメリットを解説」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

PDCAサイクルの円滑化

KPIを設定することで、業務の進捗状況や成果が数値で「見える化」でき、課題を発見しやすくなります。また、目標達成が困難だと気づいた段階で、スピーディかつ具体的な改善を講じやすくなる点もメリットです。
KPIが設定されていないと、業務の問題点を数値で把握できず、経験や勘に頼った判断をしてしまう可能性があります。その結果、組織内で方向性のずれや意見の食い違いが生じる恐れがあります。
KPIを設定し、成果を数値で可視化することで、こうしたリスクを避けながら、PDCAサイクルを円滑に回すことが可能となります。

PDCAサイクルの4つの要素を説明する図

KPIの設定方法

KPIを設定する際には、KPIツリーを活用することが一般的です。KPIツリーとは、KGI達成のために重要なKPIを樹形図で可視化したもののことを指します。ここからは、KPIの設定方法を以下の手順で解説します。

  1. KGIの設定
  2. KSFを見つけ出す
  3. KPIの設定

1. KGIの設定

KPIを設定するファーストステップが、組織全体の最終目標であるKGIを明確に定めることです。KGIは企業の成長に直結する重要な指標であるため、安易に決めず、慎重に設定する必要があります。

また、達成までの期間を明確にし、数値で測定できる目標に落とし込むことも重要です。さらに、従業員やプロジェクトメンバーが理解しやすい内容にすることで、組織全体の方向性が揃いやすくなります。

以下の表で、KGIの具体的例を部門別に紹介します。

部門KGI例
企業全体年間売上高を前年比20%増加させる
営業利益率を15%以上に向上させる
営業新規顧客数を年間100件獲得する
提案件数に対する受注数を30%以上に向上させる
製造品質指標(不良率、納期遵守率など)の達成率を95%以上にする
生産リードタイムを前年対比15%短縮する
カスタマーサポート顧客満足度を90%以上に向上させる
カスタマーサポートの平均応答時間を30%短縮する
人事退職率を前年比5%改善する
従業員満足度調査(ES調査)で満足度80%以上を達成する

KGIを設定する際には、「SMART(スマート)の法則」に基づいて行うと、より効果的です。SMARTの法則については、後述の「SMARTの法則を理解する」で詳しく解説します。

2. KSFを見つけ出す

KGIを設定したら、セカンドステップとしてこれを達成するためのKSF(重要成功要因)を洗い出します。KSFとは、KGIを達成するために欠かせない定性的な要素のことです。顧客との関係構築力や提案の質、チームワークの良さ、リーダーシップ力など数値化できない要素が多いため、自社の事業特性に応じて、特に重要な要素を明確にすることが大切です。
KSFの選定においては、KGIの達成に必要なプロセスを逆算しながら考えることで、必要な要素を抜け漏れなく整理することができます。
以下の表で、KSFの具体例を部門別に紹介します。

部門KSF例
企業全体競合との差別化を図る独自価値を明確化する
ブランド認知度の向上に向けたマーケティング強化
営業顧客ニーズに応える提案力の強化
スピーディかつ丁寧なフォロー体制の構築
製造品質管理体制の徹底
生産ラインの効率化と現場改善
カスタマーサポート問い合わせ対応マニュアルの標準化
クレーム発生時のスピーディな対応フローの整備
人事制度や福利厚生の充実
組織文化・エンゲージメント向上に向けた施策立案

3. KPIの設定

サードステップは、KSFを元にした具体的な数値指標、すなわちKPIの設定です。KPIは一般的に複数設定され、目標の達成度を測る「結果KPI」と、進捗状況を管理する「プロセスKPI」に分類します。これにより、成果と進捗の両方をバランスよく管理することが可能です。
また、プロセスKPIを起点にしたKPIツリーを作成し、各要素を段階的に分析することで、最終目標への道筋を視覚的に把握できます。その結果、日々の業務が最終目標にどう結びつくのかが明確になり、部門間での共通認識を深めるとともに、進捗管理にも役立ちます。
次の表で、KPIの具体例を部門別に紹介します。

部門KPI例
部門KPI例
企業全体月次売上高の達成率(目標比)をモニタリングする
コスト削減率を四半期ごとに10%達成する
営業商談数を月100件以上確保する
成約までの平均リードタイムを30日以内にする
製造不良品発生率を0.5%以下に抑えるなど生産ラインの停止回数を月5回以内にする
カスタマーサポート顧客満足度アンケート回収率を80%以上にする
初回対応時間を24時間以内に収める
人事従業員のブランドへの共感度を対前年比15%向上させる
採用候補者の母集団形成数を月50名以上確保する

経営者が押さえるべきKPI設定のポイント

KPIは単なる指標ではなく、組織の方向性を定め、目標達成に向けた強力な推進力を生み出すために欠かせない指標です。そのため、KPIを設定する際には、目標達成を拒む課題や、成功の要因を的確に把握し、成果の達成度を客観的に図る視点が重要です。ここからは、経営者がKPIを設定する際に、特に重要な2つのポイントを解説します。

SMARTの法則を理解する

SMARTの法則は、以下の5つの要素の頭文字を取った目標設定のためのフレームワークです。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Relevant(関連性のある)
  • Time-bound(期限の明確な)
SMARTの法則を構成する5つの要素を説明する図

SMARTの法則について理解を深めることで、明確で達成可能な目標を設定し、スムーズに進捗管理するための基盤が作れます。
以下の表で、SMARTの法則を具体的に理解するための詳細や具体例を紹介します。

要素詳細
Specific(具体的)目標は明確にする必要がある。達成すべき具体的な内容にすることがポイント。
Measurable(測定可能)数値やデータを使って、目に見える形で成果を測ることが重要。
Achievable(達成可能)努力次第で達成できる現実的な目標を設定する。
Relevant(関連性のある)目標が企業や個人のビジョン、戦略と一致しているか。
Time-bound(期限の明確な)目標には期限を設ける。
要素NG例
Specific(具体的)売り上げを伸ばす
Measurable(測定可能)顧客満足度を上げる
Achievable(達成可能)1か月で売上を2倍にする
Relevant(関連性のある)新しいスキルを習得する
Time-bound(期限の明確な)売上を10%増加させる
要素OK例
Specific(具体的)3か月以内に新規顧客を20社獲得する
Measurable(測定可能)アンケートの満足度を80%以上にする
Achievable(達成可能)半年以内に売上を20%向上させる
Relevant(関連性のある)プロジェクトのリーダーとして○○のスキルを活用し、業務改善を実施する
Time-bound(期限の明確な)6か月以内に売上を10%増加させる

このようにSMARTの法則に基づいて目標を設定すると、達成可能で具体的なKPIになります。これにより、目標達成に向けた行動計画やモチベーション維持がしやすくなることがメリットです。

重要な指標に絞りシンプルな作りにする

KPIを設定する際に、指標を過剰に増やすことは避けましょう。KPIが多すぎると、管理にかかるコストが増加するため、目標達成に必要なリソースの分散や業務煩雑化などの問題が生じます。KGIの達成に向けた取り組みの効率低下にもつながります。
一方で、重要な指標に絞ったシンプルなKPI設定を行うと、業務効率を維持しつつ、進捗管理がスムーズに行えるようになります。これは、限られたリソースを最も重要な指標に集中させることで、実行力が高まるからです。

失敗しないKPI運用のコツ

KPI運用において重要なことは、KPIを効果的に活用し、適切に管理していくことです。また、継続的にモニタリングし、必要に応じて改善することも欠かせません。ここからは、失敗しないためのKPI運用のコツを紹介します。

KPIの共有と可視化

KPIを効果的に活用するためには、チーム全体で目標を共有し、共通の認識を持つことが重要です。これにより、目標達成に向けての行動基準が統一され、組織全体の成果が向上します。
認識の統一には、ダッシュボードを活用して進捗状況を可視化したり、定例ミーティングを実施して情報共有したりする方法が効果的です。全員が「自分ごと」として捉えることで、目標に対する認識が深まり、必要に応じてスピーディに対応策を講じることが可能となります。

定期的な進捗確認と軌道修正

KPIがKGIに対して適切でない場合、目標達成に向けた進捗管理の効果は薄れてしまいます。そのため、定期的に進捗確認を行い、KPIが目標に対して適切であるかを見直すことが不可欠です。

もし、KPIが不適切だと判断した場合は、早期に改善や調整を行います。定期的な見直しを行うことで、問題の早期発見と柔軟な対応ができ、KPIの有効性を維持・向上できます。

ツールを活用し設定・管理・運用を効率化

KPIは複数設定することが多いため、設定や管理、運用が負担となる場合があります。そのときは、ツールを活用することで、管理者の負担軽減や、KPIの追跡、進捗確認、情報共有を効率化できます。
例えば、KPIツリーを手軽に作成できるツールとして、CoggleやDOMO、Analyticaなどが便利です。ExcelやCanvaでもKPIツリーの作成は可能ですが、専門的なツールを使用することで、データ管理や運用が効率的になり、より効果的に活用できます。
KPIの管理・運用の効率化には、MA(マーケティングオートメーション)、CRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援システム)などのツールを活用すると良いでしょう。ツールによっては管理や運用を一元化でき、複数の部門が関与するKPIの進捗を一目で確認できます。詳しくは後述の「BtoB(企業同士の取引)のKPI」で解説します。

KPIの成果を戦略的意思決定に活かす

適切に分析したKPIのデータ(成果)は、意思決定における重要な根拠になります。実際の数値を基にした戦略的な判断が可能となり、意思決定の質が向上します。また、過去の実績やデータを基に次の戦略を策定することで、目標達成に向けた実現可能な計画を立てることが可能です。
さらに、達成率や進捗情報を活用してリソース配分を調整すると、リソースが不足している部署や優先すべきエリアを特定できます。その結果、戦略に沿った行動が促され、最終的に組織全体のパフォーマンス向上につながるのです。

事業別:KPIの設定例

事業の種類や目標によって、KPIの設定方法は異なります。ここからは、ECサイトやマーケティングなど、部門ごとの具体的なKPI設定例を紹介します。

ECサイトのKPI

以下の表で、ECサイトにおける主要なKPIの例を紹介します。

KPI詳細
月間訪問者数(セッション数)サイトを訪問したユーザーの数。サイトの集客力を測る指標。
ページビュー数(PV数)閲覧されたページの総数。
コンバージョン率(CVR)購入や問い合わせなどの目標達成率。訪問者が実際にアクションを起こした割合を示す指数。
カート投入率商品がカートに追加された割合。商品の魅力や購入意欲を示す指標。
平均注文単価(AOV)1回の購入における平均金額。

マーケティングのKPI

以下の表で、マーケティングにおける主要なKPIの例を紹介します。

KPI詳細
広告のCTR(クリック率)広告が表示された回数に対して、実際にクリックされた回数の割合。
リード獲得数ウェブサイトでの問い合わせや資料請求、セミナーへの登録など、新規顧客からの反応の数を示す指標。
メール開封率送信したメールが実際に開封された割合。
SNSエンゲージメント率ソーシャルメディア上での「いいね」やシェア、コメントなど、ユーザーが行うアクションの割合。
CPA(顧客獲得単価)一人の顧客を獲得するためにかかったコスト(広告費)を示す指標。

人事・採用のKPI

以下の表で、人事・採用Iにおける主要なKPIの例を紹介します。

KPI詳細
応募者数採用活動でのエントリー数。
採用決定率面接を受けた応募者の中で、実際に採用された割合。
入社後の定着率新入社員が一定期間後に退職する率を測定する指標。
従業員エンゲージメントスコア従業員の満足度やモチベーションを数値化した指標。
研修受講率従業員がスキルアップを目的に受けた研修の割合。

BtoB(企業同士の取引)のKPI

以下の表で、BtoB(企業同士の取引)における主要なKPIの例を紹介します。

プロセスKPI
新規リード獲得リード獲得数
セミナー申込率/参加率
ナーチャリング(関係構築)資料ダウンロード数
メール開封率
提案・商談アポ獲得率
商談件数
受注受注率
平均リードタイム
KPI詳細
リード獲得数将来的に自社の商品やサービスを購入する可能性のある見込み客を新たに獲得した件数。
セミナー申込率/参加率Webサイトの訪問者や広告を見た人がセミナーに申し込んだ割合。
資料ダウンロード数製品資料などがダウンロードされた回数。
メール開封率送信したメールが実際に開封された割合。
アポ獲得率獲得したリードに対して商談のアポイントを取得した割合。
商談件数週や月ごとの商談件数。
受注率契約した件数。
平均リードタイムリードとの接触から受注までの期間。

MA(マーケティングオートメーション)、CRM(顧客関係管理)、SFA(営業支援システム)などのツールを活用することで、KPIを効率的に記録・分析・運用できます。これにより、業務の効率化と精度向上が実現可能です。

KPI運用で重要な視点

KPI運用において重要なのは、目標に対する進捗を定期的に確認し、そのプロセスを適切に管理することです。また、チーム全体に共有すると、意識の統一が図られます。
ここからは、KPI運用で重要な視点をさらに詳しく解説します。

現状を定量的に把握すること

KPI運用で最も重要なことは、現状を複数の視点から定量的に把握することです。これにより、現状の課題や傾向を早期に発見し、迅速な軌道修正が可能になります。例えば、日次・週次・個人別などで進捗を追跡すると、現場の変化や改善点を見逃すことなく、適切なタイミングでKPIに反映できます。
さらに、トレンドの把握も欠かせません。商談数やステップ率などの異変を早期に察知し、中期的な成果につなげるための施策を立案できます。KPIを設定する際には、売上や利益率などの財務面だけでなく、問い合わせ件数や受注率など、業務改善に直結する指数も含めることが重要です。

チームメンバーとの対話の場を設けること

KPIマネジメント成功のためには、チームメンバーとの定期的な対話が欠かせません。現場の意見や声を反映させることで、KPIが形式的なものではなく、実際の業務改善に貢献する指標として機能するでしょう。
また、振り返りと軌道修正を繰り返すことで、組織全体が現状や課題を正しく理解し、必要な調整を迅速に行えるようになります。さらに、組織の変化に応じて、KPIの内容や数値を柔軟に調整できれば、より現実的な目標設定が可能です。

KPI運用に必要なのは、「分析」と「対話」

KPIとは、最終目標に向かう進捗を可視化し、把握・管理するための重要な指標です。目標達成までのプロセスを明確にし、組織のモチベーションを向上させることに加え、現場の声を反映させた定期的なモニタリングを行うことで、業務改善に直結する指標として活用できます。

KPIを効果的に運用するためには、SMARTの法則を理解し、指標を適切に絞ることがポイントです。また、ツールを活用して管理や運用を効率化し、チーム全体で共有することで、目標達成に向けた行動の統一が図れます。さらに、分析と対話を繰り返すことで、現状の課題を迅速に特定し、柔軟に改善を進めることが可能です。

KPIの活用を通じて、組織全体が目標に向けた一体感を持ち、成果を最大化するための強力な推進力を生み出すことができるでしょう。


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