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2025/12/11
ユーザーに響くボディコピーの書き方!作成のポイントや例文も紹介
コラム
キャッチコピーを作った後、本文に何を書けばいいか悩むことはありませんか?
どれほど優れたキャッチコピーであっても、本文(ボディコピー)が不足していれば、マーケティング施策全体の効果は大幅に低下してしまいます。こうした課題を解決する鍵となるのが「ボディコピー」です。
ボディコピーは、広告やランディングページなどのコンテンツにおいて、商品・サービスの詳細情報と価値提案を伝える本文を指します。キャッチコピーで興味を持った読み手に、より深い情報を分かりやすく伝える役割があります。
今回は、ボディコピーの役割や書き方のポイント、参考例文などをご紹介します。
本記事を参考に、読み手の心を動かすコピー作りに挑戦してみてください。
Contents
ボディコピーとはどんな役割を担っている文章?
ボディコピーとは、商品・サービスの魅力と詳細情報をまとめた本文部分のことです。
Webサイトだけでなく、DM(ダイレクトメール)やチラシなど、あらゆるマーケティング媒体で活用されます。その役割は、キャッチコピーで興味を持ってくれた読み手に対して、具体的かつ正しい情報を伝えることにあります。商品の特徴やメリット、価格、使い方などを丁寧に説明し、読み手の購買意欲を高めるのが狙いです。

ボディコピーの文字数の目安は、媒体によって異なります。例えば、DMや求人広告は500文字前後が目安で、Webページは800~2,000文字が一般的です。そしてフォントサイズは、9~18pt程度の読みやすいサイズを選びます。
AI時代のボディコピー作成で大切なこと
現代のWebサイトにおけるボディコピー作成では、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策とAIO(AI Optimization:AI検索最適化)への対応が重視されています。
ユーザーに対して情報を伝えるだけでなく、検索エンジンとAIの両方に評価される設計が求められているのです。
AI検索とは、人工知能を活用した新しい検索方法のことです。
従来のGoogle検索のようにキーワードを入力するのではなく、AIが検索クエリを理解して、最も適切かつ詳しい回答を生成します。
ボディコピーをAI検索に対応させるには、以下の書き方を意識します。
| ①結論を最初に述べる | 【内容】 最初の1~2文で結論や要点を簡潔にまとめる 【効果・理由】 読者が冒頭で記事の価値を判断でき、読み進める動機付けになる 検索エンジンが記事の主要テーマを素早く理解しやすくなる |
|---|---|
| ②情報を構造化する | 【内容】 見出し(H2・H3)や箇条書きで内容を整理する リスト形式で複数のポイントを明確に分ける 【効果・理由】 検索エンジンが記事の構成を把握しやすくなる |
| ③段落を短くして読みやすさを確保 | 【内容】 1つの段落は2~3文程度に抑える改行を活用し、視覚的な読みやすさを確保する スマートフォンでも読みやすいテキスト量を心がける 【効果・理由】 視覚的な読みやすさが向上する モバイル閲覧時の可読性が高まる |
| ④キーワードを自然に組み込む | 【内容】 検索意図に合ったキーワードを意識的に組み込む 関連キーワードも自然な文脈で使用する キーワードの詰め込みは避け、読みやすさを優先する 【効果・理由】 検索エンジンがテーマを正確に理解できる 自然な文章で読者の信頼を得られる |
これまでのボディコピーは「読者にわかりやすく」という点が重視されていました。しかし、現状は異なります。求められているのは、単なる読みやすさではなく、わかりやすさ・論理性・信頼性を兼ね備え、人間とAIの両方から高く評価される文章です。
ボディコピーと混同されがちな言葉との意味の違い
ボディコピーと似た言葉に、キャッチコピーとリードコピーがあります。
それぞれの役割と特徴を整理しましょう。
キャッチコピー
キャッチコピーは、広告の見出しとして使われる短いフレーズのことです。
見る人の注意や関心を引くことが目的で、5〜20文字程度の長さに収めます。フォントサイズは20〜80pt程度と大きく、紙面やWebページの最上部に配置されます。ボディコピーと比べて短く、インパクトを重視する点が特徴です。
リードコピー
リードコピーは、キャッチコピーとボディコピーをつなぐ橋渡しの文章です。
ボディコピーの冒頭に配置されます。興味を持った読み手に「読む価値がある」と感じてもらい、本文へ誘導する役割を担います。文字数は250〜400文字程度で、キャッチコピーより目立たず、ボディコピーよりも大きいフォントサイズを使用するのが一般的です。

ユーザーの心を動かす!効果的なボディコピー作成の3つの法則
効果的なボディコピーを作るには、すでに確立されている「型」を使うのがおすすめです。
ここでは、ボディコピー作成で多用される3つの法則を解説します。
PASONAの法則
PASONAの法則は、問題から行動喚起まで、読み手の感情と心理を段階的に導くセールスコピーの構成方法です。この法則は時代とともに進化しています。
以下、旧PASONAの法則と現在主流の新PASONAの法則の違いをまとめました。
- P:読み手が抱える悩みを提起する
旧:Problem(問題)
新:Problem(問題) - A:悩みの深刻さを伝える/共感を示す
旧:Agitation(煽り・共感)
新:Affinity(親近感) - S:悩みを解決する手段を紹介する
旧:Solution(解決)
新:Solution(解決) - O:具体的な商品・サービスを提案する
旧:-
新:Offer(提案) - N:期間や人数を限定して特別感を演出する
旧:Narrowing down(絞り込み)
新:Narrowing down(絞り込み) - A:購入を呼びかける
旧:Action(行動)
新:Action(行動)
旧PASONAの法則では、読み手の不安を増幅させるアプローチが主流でした。
「このままでは危険」といった警告表現を用いて、心理的な圧力をかけることで行動を促していたのです。
新PASONAは、この点を大きく改善しています。
不安を煽るアプローチ(Agitation)を避け、「私もそうでした」と親近感を示す(Affinity)ことで、読み手に安心感を与えながら次のステップへ導きます。つまり、読み手との信頼関係を先に構築するわけです。

また、新PASONAの最大の工夫は、Solution(解決)とOffer(提案)を別々のステップに配置した点です。解決策の説明と具体的な商品提案を分離することで、読み手は段階的に情報を受け取れます。
これにより「すすめられている」という感覚を軽減でき、読み手が「自分の意思で選択している」という主体性を持つようになるのです。それが自然な購買行動へつながります。
AIDMAの法則
AIDMAの法則は、消費者心理の流れを5段階で表した枠組みです。
それぞれの段階に応じたメッセージを発信することで、効率的に購買を促します。
- Attention(認知):目を引くキャッチや画像で注意を引く
- Interest(興味):ニーズを満たす商品だと示す
- Desire(欲求):商品のベネフィットを具体的に伝える
- Memory(記憶):比較表やFAQで商品を記憶に残す
- Action(購入):CTAボタンやフォームで直接購入を促す

この法則の強みは、読み手が「どの段階にいるか?」を意識しながら文章を組み立てられる点です。
例えば、商品をまったく知らない層に対しては、認知と興味喚起に重点を置いたメッセージを構成します。一方、すでに検討中の層に対しては、記憶定着と行動促進に注力するというように、ターゲットに応じた戦略的なアプローチが可能になります。
この適応性の高さから、AIDMAの法則はLPやチラシ、Webページなど、あらゆる媒体で使われています。
CREMAの法則
CREMAの法則は、結論から述べて説得力を高める文章構造です。
論理的な流れで読み手を納得させ、自然な行動を促します。
- Conclusion(結論):最初に伝えたいことを明確に示す
- Reason(理由):なぜその結論なのかを説明する
- Evidence(根拠):データや事例で信頼性を高める
- Method(手段):具体的な商品・サービスを提案する
- Action(行動):行動を促すCTAを配置する

結論がわかっていると、読み手はその後の理由や根拠をスムーズに受け入れられます。これはビジネス文書やプレゼンテーションでよく使われる手法を、ボディコピーに応用した形です。
ボディコピーを作成する際のポイント
ここでは、質の高いボディコピーを作るためのポイントを解説します。

キャッチコピーとの一貫性を持たせる
キャッチコピーの候補案をボディコピーに組み込むと、文章全体に統一感が生まれます。随所にキャッチコピーを入れると文章のアクセントになり、読者は退屈せずに最後まで読み進めやすくなります。
読みやすさ・わかりやすさを重視する
文頭や文末を揃え、改行・箇条書きを活用すれば、読み手にストレスを与えない文章に近づきます。1段落を3~4行程度に抑え、情報量を多くしすぎないことも大切です。見出しを適切に配置し、読み手が求める情報にたどり着きやすくしましょう。
ユーザーの心に寄り添う
相手に話しかけるように文章を書けば、読み手との距離が縮まります。年齢、性別、職業、悩みまで具体化したペルソナを設定することで、その人に響く言葉が見えてくるでしょう。
ブランドらしさ・独自性を打ち出す
ブランドのミッションやビジョンを文章に反映させることが、独自性を作るポイントです。商品を作ったきっかけ、背景にあるストーリーを伝えると、読み手は深い共感を覚えます。
また、顧客が支持する「ブランドらしさ」を軸に言葉を選ぶことで、個性的なコピーが生まれます。
例えば、環境配慮を重視するブランドであれば持続性や循環性を想起させる言葉を、革新性を掲げるブランドであれば新規性や挑戦を示唆する表現を選びましょう。
キャッチコピーとボディコピーを使った例文を紹介
最後に、キャッチコピーとボディコピーの実例を紹介します。
地方特産品のPRを目的とした文章とBtoB製造業のサービスPRを目的とした文章の2つを見ていきましょう。
地方特産品を活用した商品の例
【キャッチコピー】
信州の朝、空気が織りなす味。標高1,200mの高原野菜。
【ボディコピー】
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BtoB製造業のコーポレートサイトの例
【キャッチコピー】
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【ボディコピー】
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効果的なボディコピーを作成してブランディング力を高めよう!
ボディコピーは、キャッチコピーで興味を持った読み手に商品・サービスの詳細を伝える文章です。
その役割を理解し、文章の「型」や法則を押さえることで、読み手の心を動かす説得力のある文章が完成します。まずは例文を参考にしながら、自社商品・サービスに最適化したコピー作成から始めてみましょう。
当社は、ブランディング、マーケティング、クリエイティブに加え、財務、法務・知財、人事・労務などの領域横断チームを基にクリエイティブコンサルティング事業を展開しています。
成長を支えるパートナーとして、皆様の「ありたい姿」の実現をサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。