WORK.04
シビックプライドの醸成。
人づくり起点のクリエイティブ。
地域住民自らが発信できる自走可能な基盤づくり。
和歌山県御坊市
「シティプロモーション動画」
- Client
- 和歌山県御坊市
- Category
- 自治体
- Experience
- 市民参加型ワークショップ/地域住民への映像発信/
モーション・映像制作/撮影
和歌山県御坊市
「シティプロモーション動画」
シティプロモーションでは、土地の観光資源を様々な手法や演出により魅力的かつ客観的に紹介していくような動画が主流です。ただし風景や観光資源を紹介する動画では、若者や子育て世帯が同市への移住や定住を考えるきっかけにはなりにくく、一過性の発信にとどまってしまう可能性があります。
U・Iターンによる若者や子育て世帯を中心とした移住、定住を促進するために、同市の暮らす魅力をいかにしてリアルに伝え続けるか。本プロジェクトでは、この動画制作の機会を活⽤して市民との協働に取り組むことで、今後も市⺠が御坊市の魅⼒を発信し続けるための仕組みづくりが必要であると考えました。
少子高齢化の現在、地域は若手人材の取り合いになっており、ただ魅力を伝えるだけでは、移住や定住につながらないことは明白です。イメージギャップの末に移住失敗で都市部に戻ってしまうという例も跡を絶ちません。
一方で既存の定住者やUターンをしてきた若い方の中には、地域を憂い、にぎわいの創生に意欲的な方もたくさんいます。そのような方を中心として、同市で暮らす魅力を自分たちの映像と言葉で伝え、共感を呼び、仲間を増やしていく、プラットフォームのような仕組みづくりを目指しました。
意欲のある地域住民の方々であっても、必ずしも発信できる高い能力を持っているわけではありません。そこで、撮影のイロハから、絵コンテの描き方など、我々が持つクリエイティブのアセットを地域住民に実践的に学んでいただく動画ワークショップを3回に分けて実施しました。
難しい技術や特別な機材を使わず、普段誰もが使用しているスマホで、縦型のショート動画を撮影してSNSで発信する。その一連の流れを学ぶことで、継続的に発信していくことができる人材の発掘を目指しました。
また、撮影方法やストーリーの作り方も、SNSにありがちな技法やテクニックを重視するのではなく、光の扱い方やコンテの描き方、考え方など基礎を学び、単に表層的で技巧的にならないような工夫を行いました。
地域住民とワークショップで取り組んだ個別のショート動画「5秒で御坊」と、ショート動画を集め、さらに追加の映像を加えた本編動画「ええわらよ!御坊市」を作成し、すべての動画を12月1日に同時配信するというプロモーションを実施しました。発信には、自治体職員や市長、PRメディア、地元新聞紙、地元のインフルエンサーなども協力し、地域への影響力を最大化。地域住民が自ら発信することで、関係者やつながりを通して口コミで広がっていく拡散効果を狙ったものです。
住民の目線で捉えた地域の様子は紛れもないリアルであり、着飾りすぎない内容が移住、定住を検討している人に対して有効に作用し、移住後のギャップ低減にも繋がります。
また、発信者の人となりが見えることで、移住希望者の心理的ハードルを下げる効果が期待できます。
カンフル剤的な一過性プロモーションによる発信ではなく、地域の魅力を地域の人自身が伝えていく。共感を最も効果的により確実に伝え広めていくために、都市で開発・運用されたアセットを地域の住民や企業が活用できる場づくりや、共創を推進させる原動力とします。