WORK.02
特別なレッテルは貼らない。
「福祉車両は、暮らしを豊かにするクルマ」
というアプローチ。
ダイハツ工業株式会社
「フレンドシップシリーズ」カタログ
- Client
- ダイハツ工業株式会社
- Category
- グラフィックデザイン/撮影/コピーライティング
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SOCIAL PROBLEM
福祉車両はネガティブなイメージが先行しがち。福祉車両は、もともと身体機能の衰えた高齢の方や障がいのある方をサポートするために開発されていますが、施設や病院で利用されているのを見たことがあるといった程度で、普通には買えない改造車で、少し敷居が高い「特別なクルマ」というイメージがあるかもしれません。さらには、どういった機能があるのかはおろか、クルマそのものの存在すら知らないという人も多いのが実状です。
また、車いす使用者の方の中には「あまり福祉車両に乗っているところを見られたくない」という意見もあり、身体的に不自由な方や高齢の方が乗るクルマというレッテルが福祉車両そのもののイメージをネガティブなものにしてしまっていることも理由のひとつにあると考えました。
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PURPOSE
福祉車両が当たり前に存在する世の中を作る。カタログ制作にあたって、福祉車両の存在意義を「身体の不自由さを補うクルマ」から「暮らしを豊かにするクルマ」と定義し直しました。福祉車両へのネガティブな特別感のイメージを払拭することによって、福祉車両が世の中に当たり前に存在できる社会を見据えています。そんな社会の中で身体的に不自由な方や高齢の方などの利用者が行きたいところにより行きやすくなり、人生の可能性が広がっていく。暮らしがより豊かになっていくような、一歩先のライフスタイルの提案を行いました。
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INSIGHT
機能面訴求だけではなく、福祉車両のある暮らしのライフスタイルを提案。これまで、福祉車両のカタログは、どの自動車メーカーも比較的簡素なカタログが多く、一般的なクルマのようにドライブや買い物などライフスタイルを提案することはなく、専用装備や機能の説明に終始するものがほとんどでした。
「福祉車両のある家族の豊かな未来の暮らし」を何気ない日常のワンシーンとして印象的に表現することで、ネガティブな「特別感」の払拭につながると考えました。
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EXPERIENCERESONANCE
自分ごととして共感できるストーリーテリング。福祉車両を所有していても、時にあえて福祉機能を使わずリハビリや予防介護に努める家族の実話をヒントに、福祉車両が家族の絆や前向きな生き方を実現するきっかけになるものであると意識したストーリー構成にしました。
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OUTPUT
未来志向で世の中を着実に変えていく。ネガティブな特別感の払拭という視点に加え、福祉車両が当たり前に存在する世の中という未来起点で考える--私たちは常により良い未来を見据えたクリエイティブを行なっています。
- Producer
- 井上 大輔
- Director
- 田中 彰博
- Designer
- 佐藤 政宏・上山 恵子
- Copywriter
- 西井 出
- Photographer
- 羽田 幸平・江戸 明弘
- Retoucher
- 鹿島 祐樹
- Stylist
- 井澤 恵美
- Hair and Makeup
- 鎌苅 綾子