TEAMメンバー紹介

Director/Designer 田中 彰博 TANAKA AKIHIRO

Director/Designer田中 彰博TANAKA AKIHIRO

近年「ダイバーシティ」という⾔葉をよく⽿にされるかと思いますが、幅広い分野で「多様性」が語られるようになりました。誰もが豊かになれる社会を⽬指して多様な価値観を認め合う動きがある中、それはデザインのプロセスにも浸透していっています。「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」は既に⾝近な⾔葉となっていますが、「インクルーシブデザイン」もその⼀つです。

インクルーシブデザインとは、Royal College of Art (RCA) のロジャー・コールマン名誉教授によって提唱された、⾼齢者や障がい者など、これまで商品やサービスの対象から除外されがちだった⼈たちを、デザイン⼯程の上流から巻き込んでいこうとする考え⽅です。潜在的なニーズの発⾒につながったり、デザインする側の認知バイアスに気づかせてくれるというメリットがあります。

私は学⽣の頃に精神保健福祉⼠を⽬指し、社会福祉協議会、精神科病院、共同作業所などでの実習を通して、精神保健の分野を専⾨的に学びました。障がい者福祉の現場では、障がい者⾃⾝による意思決定を尊重し、その⼈らしい⽣活を⽀えるために「当事者⽬線」という考え⽅を重視します。これは、障がいを抱える当事者の⼼の声に⽿を傾け、周囲が⼯夫を凝らしながらサポートしようとする、⽀援者側の⾏動指針のようなものです。

⽀援者は、あくまでもサポートが必要な⼈のための存在であることを認識し、「⽀援者⾃⾝の実績、⽬に⾒える成果、⾃⼰実現などを誤って追求したりしていないか?」「それは本当に当事者が望む⽀援なのか?」「思い込みや先⼊観で⽀援を⾏っていないか?」といった視点で当事者と向き合うことで、はじめて彼らにとって価値あるサポートができるようになります。それはまさにインクルーシブデザインと同じ思考プロセスを経ている部分で、私が⼤切にしていきたいことです。

デザインの本質が、深層に潜む価値や満⾜を浮き彫りにしながら解決することであるなら、つまるところ最も肝⼼なことは、さまざまな問題を抱える⼈々の価値観やニーズを知ろうとしたり、利⽤者に寄り添いながら同じ⽬線で解決⽅法に思いを巡らせる、その姿勢そのものだと思っています。

envisionが⼤切にするのは、将来的に良いことを思い描いたり、想像しようとする「想い」です。「当事者⽬線」を⼤切にしながら、異なる価値観や問題などについて多様性に対応したデザインを実現させ、いろいろな⼈々が社会に参加できる仕組みを考えていきたい。そんな想いを、クリエイティブを通して未来につないでいきたいと考えています。