TEAMメンバー紹介

Director 明石 麻穂 AKASHI MAHO

Director明石 麻穂AKASHI MAHO

環境問題と経済発展の両立は困難とされ、長らく国際社会の場でも課題とされてきました。その議論の中で、暮らしや地球を守りながらいろいろな問題を解決し豊かで幸せな未来をつくろう、と生まれたのがSDGsです。17の目標はよく知られていますが、根底にある考え方「持続可能な開発」は、将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすような開発、と定義されています。これは今までになかった「将来の視点」を意味し、未来の「こうありたい」という姿から逆算し、今できることを考えるバックキャスティングという考え方が採用されています。

この考え方を実現するためには、目の前にある問題点を順に改善していくという従来のやり方とは異なり、固定観念にとらわれずこれまでにない自由な発想や違う目線からのアプローチ、明るく楽しい未来を思い描く妄想力などを駆使して課題に取り組み、挑戦し続ける必要があります。

飛躍的な経済成長を遂げた時代、物事の中心にあったのはバックキャスティングとは真逆の考え方でした。物質的な豊かさを経済成長の証とし、さまざまな分野で無理な開発が進められてきました。その結果、先進国で公害が大きな社会問題となり、問題が明るみに出ると各方面で警鐘が鳴らされました。しかし、この経済発展の根源にあったものは、人々の生活をより豊かに、快適にしたいという願いや思いやりだったのではないでしょうか。ただ手法が違っていたり知識が足りない部分があっただけで、誰かのために今をより良くしたい、という強い思いがあったはずです。

私が現在取り組んでいる食品ロス問題も、知れば知るほど問題の根底には実は人々の思いやりがあることがわかります。お腹いっぱい食べてほしい、とたくさん出された料理を残してしまうこと。欠品しては消費者に迷惑がかかる、と小売店が余剰在庫を抱えること。安心安全を追求するあまり野菜や果物の規格が厳しくなりすぎること。どれもあらゆる立場の人の優しさが生んだ結果でもあると思います。過去の経済成長と同じく、人々の生活をより良くしたい、という気持ちに寄り添いながら新しいテクノロジーや自由な発想を加えることで、食品ロスの問題も含めこれまで難しいとされていた環境問題と経済発展の両立は目指せるはず。私はそう信じています。

時代を超えて、人が人のために何かを良くしようと努力すること。その思いは大切に受け継いでいきながら、こんなことができたらいいな、こんな未来は何だか楽しそうだな、そんなことを日々妄想しながら、さまざまな立場の方が抱える問題を、クリエイティブの力で解決したり、新しいコミュニケーションを生み出したりしながら、みなさんと一緒に少しずつでも未来のためにできることをenvisionで実現していければと思います。